子犬物語 6


そして、運命の日がやって来たのです。



ある日、実家に一時期引っ越した時の事でした。
その頃実家は東京都練馬区にある関町という所にありました。
トラックのレンタカーを借りて、2回に分けて荷物を運びました。
1回目にロックをトラックに乗せて実家まで運び、庭にある木戸に
綱で繋ぎ、荷物を降ろしました。
そして、再び昨日まで住んでいた場所までトラックを運転して、残
りの荷物を運びました。


と、そこまでは順調だったのだが・・・・


いや、順調だと思っていただけだったのかも知れない。


最後の荷物を載せたトラックは、刻一刻と時を刻む時計の動きと比
例して実家までの距離を走り続けた。



そう、途中でお腹が空いたので、ファミレスに入って食事をしました。
メニューを一通り見て、結局カレーを頼んだ。
「カレーは大好物だ。」
でも、心の中で、なんとなくカレーなら早く出て来るかも知れないと、
ふと思ったのかも知れない・・・
何気なしに、時間を気にしていたのだろうか。
いや、そんな事はなかったと思う・・・
それなら、コンビニのサンドイッチで済ませていただろう。
どうなんだろう、わからない・・・・


この事が、後になって自分を追い詰める事になろうとは、想像してい
なかった。


トラックに乗り、キーを回した。
そして運転しながら、明日の事を考えていた。
「ベッドや家具の配置はどうしようか・・・・」



2時間ほど走り、実家に着いた。



トラックの荷台の、手前にある荷物から運び始めた。
自分の部屋になる部屋は、もう最初の荷物でごった返している。
ちょっと整理をしなくては・・・



「そうだ、その前に・・・、ロックはちゃんといい子にしている
かな・・・」




階段を降り、玄関の扉を開いて外に出た。
庭にまわり、木戸を見た。





ロックがいない・・・・・







つづく。

                   


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