子犬物語 9


これから、コロの話をします。



クッキーがそんな事になってしまい、動物管理所に見てもらう事になった。
その当時の僕の心境は、ロックは見つからないし、クッキーは病気になって
しまったし、とても疲れていた。

とても陽が眩しくて、暑い日でした。
東京都日野市にある動物管理所。そこへ、いつものように出掛けた僕は、い
つものように子犬の檻のある場所へ足を向けていた。
「子犬の檻の中には、ロックが居るわけがないのだけど・・・」

犬や猫をペットショップで見る時、いつも心が和まされる。
見ている人達も、みんな笑顔だ。
でも、ここでは違う。
笑う気持ちにはなれないのだ・・・
心が和まされるどころか、とても心が痛くて、どうしようもなくなって来る。
なぜ同じ犬なのに、こうも違うのだろう・・・
運命とは何なのか・・・、と思う。


今はロックもクッキーも居ない・・・
ロックの事、クッキーの事、いろんな思い出が交差した。
この2ヶ月間、そんな事ばかりを考えていた気がする。
ボーっとしながら、檻の中を見ていた。
子犬の鳴き声だけがずっと聞こえた。



クッキーを初めて見た時、檻の中にいた沢山の子犬の中で一番おとなしかった
のがクッキーだった。
「そうだ・・・、元気な子犬を貰って行こう・・・」


檻の中を他の子犬達よりも目立って元気の良い真っ白の子犬が目に止まった。
その白い毛はクッキーよりも少しだけ長く、耳は起っていて、鼻は細く精悍な
イメージだった。
でも、抱き上げると、奮えていた。
この子犬は、人間不信になっているのかな・・・・


家に着いて、部屋の中でミルクとドッグフードをあげた。
食べない・・・・


なんで食べないんだろう。
お腹空いているはずなのに・・・


スプーンで口に持って行った。
匂いを嗅いでいる。
やはり食べない。


30分経った。
まだ食べない。
「なぜなんだろう・・・」





つづく・・・・


                  

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