子犬物語 17


さっきと同じ強さでは効果がないと思ったのだろう。突発的に、かなり強く叩いたと思う・・・・


ホウキは二つに折れてしまった。


「キャン!!!」


ホウキが折れた音と同時に、犬の鳴き声が聞こえた。
黒い犬は去って行った・・・・



ある夏の日。
家の玄関に、赤黒い木の実が落ちていた。
その日以来、次の日も、また次の日も、毎日その木の実は落ちていた。
今日は二つ、昨日は三つ・・・、でも明日になると、また三つ。
熟されているのだろうか・・・、足で潰すとワイン色の液体が出て来る。


いったい、これは何の実なんだろう?
近くにある、どの木から落ちる実なんだろうか・・・・


近くにある木を、1本づつ見てみた。
そんな実のある木は1本もなかった・・・


手にとって、良く見てみた。
小さな足が、かすかに動いている・・・・・



それは、木の実ではなく、なんと虫だった!



しかし、足に比べて、あまりにも胴体が大きい。
胴体は5ミリから7ミリ。
それに比べ、足は1ミリにも満たなかった。
しかも、あまりに大きな胴体なので、足は宙に浮き、自身の体を動かす事も出来ない。


「では、どうやって、ここまで歩いて来たんだろう・・・」


次の日も、また次の日も、その虫は、必ず玄関に近い場所に居た。
虫を捨てても捨てても、いつも新しい虫がいるのだ。


本当に不思議だった。


そして、初めてその虫を見つけた時から4日ほど経ったある日、凄くショックな事が起きた。




つづく・・・・

                   



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