子犬物語 18


そして、初めてその虫を見つけた時から4日ほど経ったある日、凄くショックな事が起きた。




日照りの強い日、外でコロを洗った。
シャンプーをつけて丹念に洗っていると、毛の中から黒いものが見えた。


あっ、これは!


あの虫の出所は、コロの身体だったのか・・・・


よく見ると、2ミリほどの小さな虫もいた。
「そうか、この虫がコロの血を吸って、こんなに大きくなるのか・・・」
そして、重くなった体に耐え切れなくなり地面に落ちるのだ。


コロの身体を隅々まで洗った。


次の日から、コロの毛をかき分けて、良くチェックする事にした。
その日は見当たらなかった。
が、しかし、3日ほど経った朝、また小さな状態の虫が居た。
「どうすれば良いのだろう・・・」

次の日、獣医に行って相談してみた。
粉状の虫除け剤を貰って来た。
それをコロの毛に振りかけて、次の日見てみたら、その虫は居なかった。



それから2年が経った。

コロも、もう15歳。
人間でいえば、かなりのおじいさんだろう・・・・
最近、散歩に行っても、引く力が弱くなった。
そして、以前なら、僕が仕事から帰ると必ず元気そうにしっぽを振って出迎えてくれたのに、今はもう顔をこっちに向けるだけで動こうとしない。
人が来ても吠えなくなった。

ある日から、心の中で、かすかに、コロが死んでしまう事を考えていた。
「いつかは死んでしまうんだ・・・。もう、コロは老犬なんだから・・・」
そう考え、覚悟をしなければ、もし死んでしまった時、とても悲しくて堪えられないと思った。
そう自分に言い聞かせた。




つづく・・・・・

                   


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