子犬物語 14


玄関を開けてみると、そこには夫婦らしき二人の人が立っていた。
「何かご用ですか?」と訪ねると、旦那らしき方がいきなり信じられない事を言った!


「お宅の犬が、うちの鶏を殺したんですよ!」


まさかと思いながらもその人の家へ行って見ると確かに3羽の鶏が死んでいた。

コロがやったという証拠はないけど、近所の人の証言で加藤さんの家の犬だと言ったそうでした。
逃げて行った時間も同じだし、間違えなくコロなのだろう・・・
深く謝って、お金を渡しました。



家の近所には森があって、特にかぶとむしやクワガタが生息するくぬぎの木が沢山あります。
僕の仕事は夜なので、毎日仕事から帰ってから夜中にコロの散歩をしていましたが、散歩の途中、近くの自動販売機にとまっている一匹のかぶとむしを見つけました。
その日以来、毎晩そこの自動販売機を通ると必ずかぶとむしやクワガタがいました。
毎日みつけるたびに家に持って帰っていたので、1ヶ月でかぶとむし屋が開けるくらい沢山増えました。
でも、結局ぜんぶ死にました。



成犬になったコロは病気もなく、元気に育っていました。
ある日いつものように夜中の散歩をしていた時、遠くの方からシャリシャリシャリという鎖が地面を擦るような音が聞こえてきました。

「なんの音だろう?」と耳をそばだててみました。
その音はだんだん大きくなってきます。
でも暗くてよく見えません。

その音がかなり大きくなって来た時、かすかに聞こえるもう一つの音がありました。
「犬の足音だ・・・」

と思った瞬間! 黒くて大きな犬がコロ目掛けて飛びかかって来た!!

「わっ!!」



つづく・・・・

                   


inserted by FC2 system